推し勝つのススメ制作秘話 第5章「ルールの裏話!バランス調整の秘密」

〜票が動く、その瞬間をつくりたかった〜

こんにちは、山口だいすけです。
ここまで読み進めてくださっている方、本当にありがとうございます。
今回はいよいよ、ゲームの心臓部分=ルールについて語らせてください。

カードをどう出すか、いつが勝負の瞬間か、どこで逆転が起きるか――
プレイヤーの行動が“票”というかたちで可視化される設計。
ここには、政治のリアルも、僕自身の“選挙体験”も、詰め込まれています。


■ 10ターン制にした理由

「推し勝つのススメ」は、10ターンで終わります。
これは、選挙の**“6か月前〜投票日”までを1ターンずつ追う構成**なんです。

そして重要なのは、ほとんどのカードが**“時期によって使えなくなる”**こと。

  • 《ポスティング》は選挙戦が始まると使えなくなる(公選法を反映)
  • 《期日前投票》は、8〜9Tでしか出せない
  • 《名刺大作戦!》や《地域ゴミ拾い》はゲーム中1回のみ

つまり、「いつ何を出すか」が戦略そのもの。

この“時期感覚”をゲームに入れたことで、
遊んでいるうちに自然と、「選挙の流れ」が身体に入ってくる設計になっているんですね。


■ 「+票」「−票」だけじゃ足りなかった

当初、効果はすべて「+1票」か「−1票」のシンプルな構成にしようと思っていました。
でも、やってみたら単調になってしまう。

そこで、以下のポイントを加えました:

  • 得点差による発動条件(例:そっくり出馬)
  • ターンによる効果変化(例:熱いえんぜつ!)
  • 追加効果による連携(例:名刺 → 次ターン+1票)

これにより、カードの「出すタイミング」が意味を持つようになった。
要は、**“戦略の奥行き”**が生まれたというわけです。


■ 妨害と防御――ここがリアルすぎる

選挙の現場に立つと、本当に色んな“妨害”があります。
直接的なヤジだけじゃない。
SNSでの印象操作、知らない間に噂が広まってる、
良かれと思ってやった支援者の行動が問題になる……

だから、こういうカードが生まれました:

  • 《ヤジでじゃま!》《炎上》《デマばらまき!》
  • 《善意の妨害者》(←体験そのまんま)
  • 《刑事の警告》《公職選挙法の解釈》

さらに、防御カードも設けました:

  • 《本人です証明!》《スルースキル》《地域の信頼》

選挙って、攻撃と防御の読み合いなんです。

この心理戦・駆け引きのリアルさが出たとき、
「あ、これはゲームとしても成立してるな」と確信しました。


■ 《そっくり出馬》が生まれた理由

このカード、めちゃくちゃ強いです。
でも、**発動条件は「3票差以上」**という制限があります。

これは、自分とそっくりな相手を狙うカードではないんです。
僕の中では、以下の2パターンが浮かんでいました。

  • 前回トップクラスのベテラン候補(いわゆる強者)
  • 票読みできない無所属の新人候補(情報が読めない未知数)

似てるようで、似てない。
「なんかヤバそうなやつが出てきた」と思われるときに、票は一気に動く。
まさにその揺らぎをゲームにしたのが、このカードです。

そしてもう一つのポイントが、票情報の“曖昧さ”。

得点は見えても、集めた票の総量はオープンになっていない。

つまり、相手のターンの動きやカード効果から、読み合いをしながら推理していくしかない。
だけど、たった1ターン、気を抜いたり、想定と違う動きをされたら読みが崩れる。
この「見えてるようで見えていない」感じ、リアルでしょ。


■ まさに“そっくり出馬”だった僕の実体験

実は、こんなことがあったんです。

選挙中、僕が走っていない地域から「今日来てたね!」と連絡があった。
でも、僕はその日はまったく行っていない。

不思議に思って調べてみると、
どうやら別の候補が、僕と同じ「黄色の看板」で走っていたらしく、
その人を見た人が「だいすけさんが来た」と思い込んでいたんですね。

つまり――
他人が動いたのに、僕が動いたと思われる。

これってまさに、《そっくり出馬》ですよね。
しかも、「あれ?なんか似てる?」「もしかして本人?」くらいのレベルのズレ感が、一番リアルに票を動かすんです。

このとき、僕は**「そっくり出馬」って現実に起きることなんだ**と痛感しました。
それが、このカードの設計にダイレクトに反映されています。


■ 《善意の妨害者》は泣きながら作った

このカード、防御不能でしかも効果が重い。
でも、現実にあるんですよ。いや、ありすぎる。

しかも、その人は悪気がない。むしろ応援してるつもり。

僕の経験だけでなく、兵庫で起きた全国的な騒動もインスピレーションになっています。
法律を知らずにPRして炎上。
そのあとSNSで叩かれ、活動中止。
あれ、完全に《善意の妨害者》でした。

正直、複雑すぎてカード化するか迷ったけど、
現場で起きていることをカードにしないなんて、僕の仕事じゃない。

そして、このカードのイラストには、
老人が誰かに物をあげているというシーンを描きました。

ハムや高価なものを送ってはいけない。
そんな法律、分かってる。
でも――
「これは家にある普通のものだから、大丈夫だろう」

そう思ってしまう心理。
実はそれが、最も“危ない橋”だったりする。

この“ゆるさ”こそが、一番怖いんです。
何かを壊すときって、たいてい、悪意よりも善意のふりをした“無自覚”から始まる。

だからこそ、この1枚には思いを込めて、
泣きながら仕上げました。


■ 活動カードに“遊びの幅”を持たせる

名刺配り、ポスティング、こども食堂――
どれも地道で、確実な活動です。

特に《名刺大作戦!》は、リアルなテクニックが山盛りなんですが、
実はある方法を使えば、選挙期間中でも合法的に名刺配りはできるんです。

でも、そこまで細かくルールにすると複雑化しすぎてしまう。
なので今回は泣く泣くカット。

「本当は入れたかったけど入れられなかったネタ」、星の数ほどあります。

この辺は、また別の拡張ルールで入れたいですね。


■ まとめ:バランスの正解は“リアル”の中にあった

妨害ばかり強くてもダメ。
加点ばかりしてもダレる。
防御が万能すぎても駆け引きにならない。

リアルの選挙と同じで、「正解」は状況によって変わります。

だから、ルールやカード効果も“固定された完璧な正解”はありません。
その分、現場での経験や空気感が、勝敗を分ける。

それが「推し勝つのススメ」の本質であり、
「政治って実は“勝ち負け”じゃない。でも、勝つと伝えられることがある」
という、僕なりの答えです。


次回は、そんな試行錯誤の連続だったテストプレイの様子を大公開!
第6章「試行錯誤のテストプレイ!」では、失敗・爆笑・感動のすべてをぶちまけます(笑)

お楽しみに!

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ABOUT US
山口 だいすけ現役ケアマネ議員
 政治家はいつから子どもたちがなりたくない職業になったのでしょうか。
政治家と言われて頭に浮かぶのは不正、
汚職、お金に汚い、年寄りが多い・・・多くはこんなイメージだと思います。
私は政治家のビジョンとして

『子どもの将来の夢第1位が「政治家」になる』

を掲げています。この夢を実現するために、子どもたちが憧れるような姿を見せ続けるだけでなく、大人たちに対してもう一度、政治家に対する信頼を取り戻す必要があります。
 そのためにも「真摯であること」を活動の軸とし、行政と市民を繋ぐかけ橋になるため『課題分析・実践・改革』を心がけていきます。
 山口だいすけは、全ての人が「笑顔」になるため3つの「楽しさ」を創る「三楽創造〜自分が楽しく、みんなが楽しく、未来が楽しい〜」を人生のミッションとし、政治家のビジョンを叶えるため働き続けることをお約束します。